アジア新風土記(89)マラッカ - 2024.11.15
日本の国際協力に武力はどこまで必要か
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アフガニスタンやアフリカ・シエラレオネで「武装解除」を指揮した〈紛争屋〉の大学教授が、元PKO 幹部の外国人らと共に、日本の国際平和への協力はいかにあるべきなのか、ホンネで提言する!
紛争地の現実と自衛隊派遣──アフガニスタンでの「武装解除」取り組みの体験から 伊勢崎賢治
1 アフガン現地では知られていなかった日本の給油活動
アフリカ・シエラレオネで知った「9・11」
空爆が生み出すコラテラル・ダメージ(第二次被害)
当初、アフガニスタン復興を主導したのは日本だった
お先真っ暗だったアフガニスタンの治安問題
ついに引き受けたムジャヒディンの武装解除
アフガン現地では全く知られていなかった日本の給油活動
アメリカが提案したPRT(地域復興チーム)
米戦略上は一直線につながっていたアフガニスタンとイラク
日本がすすめてきた、もう一つのアフガン復興支援
日本が落ち込んだ政治的無策の穴
2 私がたずさわった軍閥の「武装解除」
冷戦後に生まれたDDR
東ティモールでの「武装解除」
五〇万人の命を奪ったシエラレオネの内戦
「正義」を犠牲にした「和平合意」
シエラレオネとアフガニスタンの決定的違い
実際にどのように武装解除をすすめたのか
アフガニスタンでも「正義」は和平の犠牲となった
私が犯した失策
アメリカの政治日程に振り回されたDDR活動
3 治安対策の道筋をつけた日本の武装解除
日本が武装解除を引き受けた背景
武装解除を免れた警察の腐敗
アフガン復興支援は〝対米協力〟である
まぼろしと消えた日本への「美しい誤解」
4 倒錯した日本の国際協力政策
破綻国家の現実
途上国並みの日本の自衛隊の出し方
先進諸国が軍を出すとき
軍隊が他国の領土に入っていくことの重さ
自衛隊の国連活動の法的根拠は憲法9条ではなく前文と98条 播磨益夫
何が問題なのか
国連加盟前の日本と憲法前文
国連の存立目的は「世界平和の維持」
国連加盟後の日本と日本国憲法
日本国は国連憲章を一部分の「留保」もなく国連に加盟した
国連憲章上の義務を負った日本国
5 これまでの日本国憲法解釈と国連憲章解釈における誤解点
日本国の「国権」と国連の「国連権」との同一視の問題
「集団的自衛権」と「集団的措置」との同一視の問題
集団的措置と集団的自衛権の異同
世界平和を求め、国際協調主義を宣言する日本国憲法
政府は憲法解釈の誤りを認め、正しい憲法解釈を
PKO参加五原則は見直すべき
PKO参加五原則の中の「武器使用」の問題点
日本国憲法と逆方向のPKO参加五原則
国連安保理決議第一五四六号のごまかし翻訳について
多国籍軍参加の閣議決定とごまかし翻訳
ごまかし翻訳をせざるを得ない根本原因
「自衛隊指揮権は日本」で米英了解、という政府の偽り
国連安保理決議と多国籍軍の指揮権
日本国憲法の改正は不要
憲法解釈についての政府の正確な情報公開を
一アイルランド人が見た 日本の国際協力と自衛隊 デズモンド・マロイ
アイルランドという国とその軍隊
国際的な活動における私の経験
アイルランドの軍事的中立と、軍事的国際貢献の原則
柔和なナショナリズム
一人当たりGDP世界二位の国での国防軍の地位
第九条を改正するのか?
兵士は「兵士」として派遣されるべきだ
「死傷者ゼロ」政策は職業的兵士への侮辱
日本に問われているもの
「軍事大国」か「外交大国」か──日本の選択 グンナール・レークビィック
日本国憲法における平和主義の構造
拡大される第九条の解釈
アジアの政治的安定をもたらした第九条
第九条改正への圧力
第九条が開く「非暴力的国防」の道