梅田正己のコラム【パンセ26】 Jアラートをめぐる素朴な疑問

今月13日朝7時55分、北朝鮮のミサイルでJアラート発出、テレビは番組を中断、以後画面は1時間近くJアラートに占拠された。

 その間、湧いてきた疑問が二つ。

 
まず一つはアラートが指定した地域の問題。北海道周辺が危険だといい、切迫した声で建物の中や地下への避難をくり返し呼びかけた。

 
しかしミサイルの着弾地は北海道に限定されている。それなのに何で関東や関西、さらには九州地方まで避難を呼びかけたのか?

 
いま一つは、8時16分、落下する可能性はなくなったと発表しながら、何でその後30分もアラートを解除しなかったか、ということだ。

 
言うまでもないが、朝の時間は貴重だ。多くの人にとって、その朝の時間割の指標となっているのがテレビではないか? その時間割を断ち切って、政府のJアラートは全テレビ局を占拠した。何の必要があってこんな無茶をやったのか?

 
いま政府は〝異次元の軍拡〟に懸命だ。そのため国民の危機感を醸成・扇動するのに、Jアラートは格好の材料ではなかったか?

 
そんなことを思うのは、78年前、警戒警報の不気味なサイレンに脅え、ただちに授業を中断、先生の引率で横穴防空壕へと急いだ体験を持つ旧世代の邪推だろうか?





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