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これだけは知っておきたい近代日本の戦争

台湾出兵から太平洋戦争まで

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著者	梅田　正己著
ジャンル	人文・歴史書 > 歴史
出版年月日	2010/07/09
ISBN	9784874984451
判型・ページ数	4-6・288ページ
定価	本体1,800円＋税
在庫	在庫あり

この本の内容

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ベストセラー〈これだけは知っておきたい〉シリーズ第２弾！
明治維新から第二次世界大戦での敗戦まで、戦争に次ぐ戦争を繰り返してきた近代日本の８０年。
台湾出兵、江華島事件、日清戦争、義和団戦争、日露戦争、第一次世界大戦、シベリア出兵、満州事変、日中全面戦争、太平洋戦争と続く１０にわたる戦争のそれぞれに、日本はどのように踏み込んでいったのか――
なぜ近代日本が次から次へと戦争を繰り返し引き起こしてきたのか、その原因と結果が抜け落ちている歴史教科書を含める数々の歴史本に対して、本書は強烈な楔を打ち込みます！

はじめに
Ⅰ　「田母神論文」問題のてんまつ
「田母神論文」の主張
真っ向から否定された政府の公式見解
棚上げになった「処分」
「タモちゃん現象」
Ⅱ　日本は相手国の了承を得ないで一方的に軍を進めたことはない、というのは本当か？
歴史家は「田母神論文」を一蹴したが「高校日本史教科書」では答えられない田母神氏の主張
１　台湾出兵（一八七四年）
琉球漂着民殺害事件
当時の琉球と台湾
「無主の地」の「化外の民」
近代日本最初の対外武力行使の方針
出兵強行と牡丹社征服
出兵をめぐる日清の交渉
断ち切られた琉球の「日中両属」
近代日本最初の対外武力行使、そして最初の植民地獲得戦争
２　江華島事件（一八七五年）
教科書では脚注あつかい
「飲料水を求めていた」という「公式報告書」
実は三日間にわたった「戦争」だった
報告書はなぜ書きかえられたのか
自ら仕掛けた「違法」の武力行使
３　日清戦争での朝鮮出兵（一八九四年）
兵士たちの反乱・壬午軍乱
済物浦条約での日本の「駐兵権」
東学農民戦争と朝鮮から清国への出兵要請
日本もただちに四千人を出兵
日本軍の武力行使の始まりは朝鮮王宮の占領
「庇を借りて母屋を乗っ取る」手法
４　義和団戦争での中国出兵（一九〇〇年）
中国の“半植民地化”の扉を開いた下関条約
近代化運動「戊戌の変法」とその挫折
義和団運動──反帝国主義の民衆反乱
八カ国連合軍の主力となった日本軍
北京議定書による中国の半植民地化の決定と外国軍の駐兵権
侵略戦争に「正当性」はない
５　日露戦争での韓国出兵（一九〇四年）
満州に手を広げたロシア
朝鮮をめぐる日本とロシアの綱引き
日露開戦への道
宣戦布告前に行動を起こした日本陸海軍
条約違反の「合法化」の誤魔化し
６　関東軍の満州駐兵と満州事変（一九〇五年・三一年）
日露戦争で日本が獲得したもの
「関東軍」の成立とその活動範囲
清国の消滅とその後の中国の混迷
燃え上がる反帝国主義運動と蒋介石の台頭
張作霖爆殺から満州事変へ
関東軍はなぜこの謀略事件を仕掛けたのか
７　第一次世界大戦での中国出兵（一九一四年）とシベリア出兵（一九一九～二二年）
第一次世界大戦の勃発
日本はどうして欧州の戦争に「参戦」したのか
二一カ条要求と「国恥記念日」
駆逐艦艦隊の地中海派遣と欧米列強の承認
ロシア革命とシベリア出兵
日本の出兵兵力は米英仏の10倍、期間も３倍
「相手国の了承」など問題外だった二つの出兵
８　盧溝橋事件（一九三七年）
盧溝橋事件のてんまつ
踏み破った「北京議定書」
「第二の満州国」づくりを目指した華北分離工作
抗日運動の広がりと「西安事件」
最初から停戦協定を無視していた日本政府と軍
ウソにウソを重ねた田母神説
「我が国は蒋介石により日中戦争に引きずり込まれた被害者」という田母神説
９　改めて「田母神説」を検証する
「条約」はあったものの
出兵のあとで急いで「条約」を結ばせる
駆け引き・挑発・謀略による武力行使
帝国主義諸国と組んで、あるいは戦争のどさくさに
「条約に基づいて」「相手国の了承を得て」の出兵は一件もなかった
Ⅲ　日本は植民地でこんなにいいことをした？
田母神説──日本は満州、朝鮮、台湾でこんなにいいことをした！
「植民地政策」を肯定した外務省見解
日韓会談での日本首席代表の歴史認識
「満州国」の人口急増は「豊かで治安が良かったから」？
帝国大学は早期につくったが、その内実は？
二九年かけて確保した朝鮮への独占的支配
一つの議定書、三つの協約を経ての「併合条約」
Ⅳ　「日本の真珠湾攻撃はルーズベルトの罠だった」というのは本当か？
またもコミンテルン陰謀説
日中戦争初期の米国の対日政策
当時の日本と中国を、米国民はどう見ていたか
第二次大戦勃発と緒戦ドイツの電撃的勝利
日独伊三国同盟の「敵国」はどこ？
米英ソの「援蒋ルート」と日本軍の仏印進駐
米大統領の「民主主義の兵器廠」宣言と「武器貸与法」の成立
「南進」への準備と「日ソ中立条約」締結
南方進出を決定、対米英戦の決意を固める
日本軍の南部仏印進駐と米国の石油輸出全面禁止
いまや時間の問題となった対米開戦
東条内閣の出現、そして開戦へ
「謀略」介入の余地もなかった日米開戦への一本道
Ⅴ　「大東亜戦争」がアジア諸民族を解放したというのは本当か？
事実を検証するための三つの視点
日本軍は東南アジアとその地の人々をどう見ていたか
現マレーシア、インドネシアは「大日本帝国の領土とし…」
シンガポールでの華僑虐殺
遺骨の上に建つ「血債の塔」
軍の紙幣（軍票）の大増刷とインフレ
「抗日戦」に向かったフィリピンとビルマの独立運動
現マレーシアと現インドネシアの独立戦争
三〇年をかけたベトナムの独立と統一
それでも東南アジア諸国の独立は「大東亜戦争のおかげ」と言えるのか
Ⅵ　近代日本の戦争と「司馬史観」
鎖状にリンクしてつながる近代日本の戦争
司馬遼太郎の昭和前期「魔法の森」論
日露戦争の「勝利」後から日本は変わり始めたという説
司馬説で見落とされた台湾出兵・江華島事件・日清戦争
日清戦争があって、日露戦争が起こった
明治以後も突き進んだ“帝国主義の道”
シベリア出兵・満州事変・日中全面戦争・太平洋戦争とつながる鎖
日本の戦争の三つの行動原理──軍事力中心主義・領土拡大主義・排外的民族主義
“戦争の鎖”が巻きついている憲法第九条
　終わりに