アジア新風土記(89)マラッカ - 2024.11.15
ちっちゃな捕虜
日本軍抑留所を果敢に生きたノルウェー人少女のものがたり
1942年から日本軍政下となったインドネシア。
ノルウェー人のリーセ一家はジャワ島の日本軍抑留所に強制的に収容され、過酷な2年間を送ることになる。本書の著者は当時9歳。突然に生活が一変し、物乞いをし、ごみ捨て場を漁り、騙し、盗んででも食料を調達し懸命に命を繋ぐ日々を繰り返す。毎日何人もの人が死んでいく中、病弱な母を支えるために、日本軍の非人道的な扱いにも屈することなく、「ちっちゃな捕虜」は果敢に2年半におよぶ抑留生活を生き抜く――
本書は過酷な収容生活を子どもの目線でとらえ克明に書き起こしイギリスで出版された本の翻訳です。日本はインドネシアで何をやったのか。日本の戦争に翻弄された外国人収容者の実態を伝えた1冊です。
第2章 庭のジャップ
第3章 デ・ヴェイク抑留所
第4章 デ・ヴェイクでの殺人
第5章 適者生存
第6章 デ・ヴェイクを後にする
第7章 スラバヤからスマランへ
第8章 バンコン教会抑留所への遠い道
第9章 ヨハネス・ブラームスの子守歌
第10章 天使の死
第11章 蠅と砂糖
第12章 泥棒
第13章 ドブネズミ
第14章 マーガレットさん親子
第15章 死んだ方がましだ
第16章 仏さま、どうかお恵みを
第17章 ランペルサリ抑留所 青いドアでの暮らし
第18章 消えてゆく人たち
第19章 自由はピンクと白のワンピース
第20章 ペニシリンとかさぶた
第21章 菜園
第22章 コンクリート台と死の部屋
第23章 イーストケーキ
第24章 木綿のワンピースを着た男の子
第25章 一九四四年のクリスマス
第26章 農作業班と女の子
第27章 おじいさんと男の子
第28章 オーマを見つけて、見失って
第29章 飛び交う噂
第30章 ランペルサリ抑留所からの脱出
第31章 スラバヤ、エマ・パーク
第32章 帰国の途につく
第33章 ノルウェー人の友人
第34章 とても特別なクリスマスプレゼント
その後