アジア新風土記(89)マラッカ - 2024.11.15
現場発! 人間的な英語の授業を求めて
《推薦》
佐藤 学氏 江利川 春雄氏
2020年から小学校の英語教科が始まります。しかしながら、「コミュニケーション重視」「授業は英語で」などの学習指導要領の方針によって、文法、翻訳、母語による授業のなどの軽視が疑問や不安として現場から上がっています。「画一化・数字化・規格化」といった息苦しさに加え、教師は教科書の選択も出来ないなかで評価も気にしなければなりません。
とりわけ英語授業は、日常的に英語が使われていない日本において、教師自身が楽しい、面白いと思える創意工夫しなければ「コミュニケーション重視」も困難でしょう。
都立高校で37年間の英語教師としての経験と、イギリスの大学院での応用言語学の研究を踏まえて、これらの疑問に答えたのが本書です。日々の授業に悩んでいる教師や教師を目指す学生、英語教育の在り方や英語教育改革に疑問や不安を感じている教師、研究者、保護者の方々に是非お読みいただきたい一冊です。
〈理論〉
1)教師はやりがいがある
2)一人一人の個性を大切にする
3)理論と実践の間で
〈実践〉
1)生徒を知る、名前を覚える
2)自己紹介を工夫する
3)アンケートを授業に生かす
2 コミュニケーションと文法訳読
〈理論)
1)学習指導要領とコミュニケーション
2)コミュニケーション力とは何か?
3)訳読でなく、概要・要点?
4)「コミュニケーション」重視の理論はどこから?
5)文法はいらない?
6)ヴィゴツキーから学ぶ
7)「コミュニケーション重視」は日本にふさわしいのか?
8)「受験英語」の中の文法
9)「話す内容」を持つことが第一
〈実践〉
1)発音を教える
2)文法を分かりやすく、楽しく
3)新英語教育研究会の文法観
4) not as ~ asは、なぜ「ほど~でに」?
5)語感を使って英文法
6)イギリスの写真で文法を
7)理解して、使って、忘れろ、英文法
8)映画で英語を
3 授業は英語で
〈理論〉
1)学習指導要領と「授業は英語で」
2)「授業は英語で」はどこから?
3)母語の活用が世界の英語教育の潮流に
〈実践〉
1)現場の授業では
2)英語の授業で母語の果たす役割―単語の覚え方
3)語彙指導と「授業は英語で」
4)授業で同英語と日本語を使うべきか
5)「授業は英語で」と林野滋樹さん
6)授業はコミュニケーション
7)日本の実践とSwainの消化実践
4 義国語と母語
〈理論〉
1)「英語学習のウソ・ホント」
2)母語・第二言語・外国語
3)インプット仮説、アウトプット仮説、インタラクション仮説
4)第二言語習得論とヴィゴツキー
5)EFLとESLでは何が違ってくるのか
6)EFL環境の日本にふさわしい英語教育とは
7)新英研の実践研究に学んで
〈実践〉
1)歌、映画、劇
2)教材論「今、ここ」から
3)多読・音読
4)協同学習
5)使う機会アウトプット・・・自己表現
6)新英研の実践研究で明らかになたこと
5 指導要領の2020年改訂 特徴とポイント(改善点と大きな課題)
6 小学校英語を考える
1)そもそも論
2)こんなふうに実践したらどうでしょう