アジア新風土記(89)マラッカ - 2024.11.15
脱原発で地元経済は破綻しない
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なぜ、福島第一原発の事故を経験しても、脱原発への舵を切ることができないのか?
原発立地自治体では、再稼働の声が高まるのはなぜか?なぜ、福島第一原発の事故を経験しても、脱原発への舵を切ることができないのか?
原発立地自治体では、再稼働の声が高まるのはなぜか?
本書ではその問いに答えるために以下の章を設定しました。
第Ⅰ章は、原発事故の後でも再稼働を目指す地元首長を選挙で選ぶのか? 巨大な原発利権に呑み込まれてしまった原発地元の苦悩を分析した「なぜ原発地元は脱原発の声を上げられないのか」。
第Ⅱ章は、原発地元に注ぎ込まれる「原発マネー」の流れを追いかけた「原発地元はどれだけ〈原発の恩恵〉に依存しているのか」。
第Ⅲ章は、脱原発を選択したドイツ・フランス・スペインの事例を紹介した「欧州諸国の原発地元に〈廃炉〉は何をもたらしたか」。
第Ⅳ章は、脱原発を実現するための提言「日本における原発地元の活路」。
日本が原発なしでも成り立つ国になるための未来図を提案しました。
福島第一原発の事故の後、他の原発を抱える自治体はどうするのか、脱原発に向けて進むのかと注視していましたが、その後行なわれた地方選挙で全ての首長が推進派で占められました。おそらく、原発が無くなれば、生活が立ちゆかなくなるという不安から、推進派に票を投じた有権者も多かったのではないかと思われます。
首都圏に住み、電力を消費している私が、原発のリスクを引き受けている「原発地元」の人たちに向けて「脱原発」を主張することはできません。
第一に考えなければいけないのは、原発が無くても地元経済が破綻しないための未来図を描けるかです。
本書の著者・朴勝俊さんは環境経済学の研究者で、これまで、福井や北海道の原発地元で「原発が無くてもやっていける」という「脱原発後の地域経済」を語ってこられました。
この本が、脱原発の未来を考えるヒントとなればと思います。
Ⅱ章 原発地元はどれだけ「原発の恩恵」に依存しているのか
Ⅲ章 欧州諸国の原発地元に「廃炉」は何をもたらしたか―ドイツを中心にして
Ⅳ章 日本における原発地元の活路
朴 勝俊(パク スンジュン)
1974年大阪府生まれ。神戸大学大学院経済学研究科修了。関西学院大学総合政策学部准教授。専門は環境経済学。