アジア新風土記(89)マラッカ - 2024.11.15
東海村「臨界」事故
著者 | 槌田 敦 著 JCO臨界事故調査市民の会 編 |
---|---|
ジャンル | 社会 > 社会 |
出版年月日 | 2003/10/15 |
ISBN | 9784874983126 |
判型・ページ数 | 4-6・126ページ |
定価 | 本体1,000円+税 |
在庫 | 在庫あり |
クレジットカード決済、コンビニ決済などはこちらから
国内最大の原子力事故・その責任は核燃機構だ
原子力発祥の地で起きた、日本で最大、最悪の原子力事故=「臨界」事故を風化させないために、市民の視点で日本の原子力政策の根元を問う!
犠牲者二人を出し、六六七人を被曝させ、三一万人を避難させた、この国最大の原子力の惨事は、どうして起こったのか?「臨界」の起こった経過を追い、隠されていた事実をもとに、このあり得べからざる事故を引き起こした核燃機構の責任(無理な注文)を明らかにする!
はじめに JCO臨界事故はなぜ起こったか……菅井益郎
Ⅰ 1999年9月30日 JCO臨界事故発生
その日の茨城県・東海高校……高橋裕文
茨城県立東海高校生の証言
Ⅱ 旧動燃が引き起こしたJCO臨界事故
バケツ作業だけなら臨界事故はなかった……槌田 敦
消された「動燃と科学技術庁の責任」
核兵器用プルトニウムを生産する高速実験炉「常陽」
「臨界管理」―形状管理をすれば起こらなかった事故
「安全審査官」は動燃からの出向者
危険きわまりない「枠取り」
無理な「均一化の注文」は動燃の責任
均一化作業の試行錯誤
沈殿槽はなぜ原子炉(臨界)になったのか
契約書にはどのように書かれていたのか
単価はなぜ大幅に上がったのか
動燃の「大盤振る舞い」の隠された意図は
「無理な注文」が臨界事故の原因
「臨界」を理解していなかった原子力技術者たち
「無能」が招いた被曝の拡大
住民被曝の拡大は安全委員会の責任
住民が被曝した最大の原因は「ヨウ素群」
もし、原発事故ならどうするのか
Ⅲ 2003年3月3日 臨界事故、刑事裁判判決
臨界事故裁判は真実に迫ったか!?……渡辺寿子
国と旧動燃の責任にふれない判決─判決の日
JCO刑事裁判の公判経過
被告・弁護側が起訴事実をすべて承認─第1回公判
動燃の人間が安全審査をしていた!─第7回公判
罪をおしつけられた末端の労働者─第13回公判
もう2度と原子力の世界で働きたくない─第14回公判
科技庁と動燃の責任を明確にした弁護側─最終意見陳述
真実を闇に葬り、死者に鞭打つ判決─再び判決の日
国、動燃の責任を問い続けること
死者と被告の名誉のために……望月 彰
労働災害の悲しみ
「ものづくりの中身」を切り捨てた判決
空白の1時間──竹村主任の涙
篠原さん、大内さんの「発意」?
虚構の中の真実──リストラ後遺症
「契約と許可条件に忠実に」作業した結果
企業のモラル、社員のモラル
*まんが「40?均一化の注文」……今井丈夫・望月彰
Ⅳ 政府に質問したら矛盾だらけの回答
福島瑞穂質問主意書と答弁書……竹村英明
濃度の均一化問題と事故調査報告
濃度の均一化とは不純物の均一化だった
1ロット40リットルは動燃の分析期間短縮のため
溶液製造を押し込んだ吉田守安全審査官
*JCO臨界事故と安全審査に関する質問主意書
*政府側の答弁書
Ⅴ 臨界事故──被曝住民は訴える
住民被曝者─大泉昭一さん、恵子さんの闘い
被曝の実状─大泉夫妻の民事裁判訴状要旨
原告 大泉恵子の被害
はじめに
本件臨界事故当日の行動
事故による被曝と事故後の血液検査結果
事故後の心身の健康状態
PTSDの診断
原告の健康被害と臨界事故の因果関係について
原告 大泉昭一
原告大泉らの事業
皮膚の既往症等
被曝の事実
事故の直後からの症状悪化
事業の廃業
【資料編】
原子力発祥の地から脱原発第一歩の地に……野口悦子
事故に怒り、風化させない首都圏での取り組み……坂東喜久恵
JCO事故関係の文献一覧
東海村臨界被曝事故から4年の流れ
あとがき……柳田 真