アジア新風土記(89)マラッカ - 2024.11.15
38度線・非武装地帯をあるく
板門店・臨津江・金剛山・鉄原・江華島・実尾島・白レイ島・開城
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世界で最後の「冷戦」の現場、38度線。南北分断の軍事境界ラインに沿って、市民が近づける8つの地点を訪ね、今も変わらぬ緊迫した空気の中、肌に感じる雪解けの兆しを伝える!
朝鮮問題の専門記者として、韓国はもちろん北朝鮮にも取材に入った。
朝鮮戦争の休戦会談の会場である板門店には、韓国語学留学の頃から特派員時代、そして現在までの30年間を通じて幾度となく訪れ、その変化を見続けてきた。
大ヒット映画「シルミド」の舞台・実尾島、望郷の河臨津江(イムジン河)など、本書ではじめて紹介される必読の労作!
「南北分断」と「朝鮮戦争」
軍国日本の置き土産
解放の喜びもつかの間
引き裂かれた隣国
米ソの代理戦争
日本との深い関わり
Ⅰ 板門店──分断の象徴
1 緊張和らぎ観光地化すすむ
南北関係の定点観測地
「統一」へ牛が先に渡った
「9・11」後に変化
歴史が息づく会談場
越えられぬ「壁」
悲しい米兵の遺骨返還
対決色薄れ対話定着
体制映す「帰らざる橋」
自由へのエクソダス
軍事地帯を耕す民
北から訪れた板門店
2 緊張体感の「鉄柵ツアー」
残る冷戦期の空気
生々しいゲリラ侵入現場
監視所が展望台に
3 「冷戦の化石」標本──トンネルツアー
北が掘削したトンネル
モノレールで地底へ
核のカナリア
4 統一列車の夢
ついに38度線を越えた「鉄馬」
夢の鉄路をミニ体験
Ⅱ 臨津江──望郷の河
1 血肉呼ぶ望拝壇
北をのぞんで慟哭
おお自由の橋よ
「平和の石」の声を聴く
2 烏頭山統一展望台
ソウルに最も近い展望台
北の生活に触れる
Ⅲ 金剛山──民族和解の聖地
1 夢を後押し陸路観光
〝幻の聖地〟から〝現実の聖地〟へ
緊張感薄いライン越え
心洗う翡翠色の清流
案内員との会話
2 戦争の傷痕を超えて
今も残る砲台、トーチカ
観光・リゾート施設づくりに懸命
現実的な統一アプローチ
3 南北の戦争指導者の別荘
激戦地跡に建つ「安保展示館」
動乱の前は金日成、後は李承晩が
Ⅳ 鉄原──激戦地は野生の楽園
1 冬──地雷原とツルの舞い
「鉄の三角地帯」
〝平和のバロメーター〟
2 鳥が呼び寄せた「再会」
動乱の中での離別
五二年ぶりの帰国
3 夏──緑おおうツメ跡
爆撃で縮んだ白馬高地
廃墟の植樹に救い
ツルの里に平和のこだま
Ⅴ 江華島──強国襲来・抵抗の島
1 地政学上の要衝を体感
「黒船来航」韓国版
日本軍との激戦場
「歴史の捏造」第一号
2 モンゴルの猛攻と抵抗の残照
「神風」招いた(?)民軍
ミニパレス高麗宮址
略奪された文化財
山城が守る名刹
Ⅵ 実尾島──裏切りの島
〝政治の犠牲〟にされた特殊部隊員
寒風ついて無人島へ
井戸が語る「生の証し」
「国家の命令」による「完全抹殺」
人情の温もり
Ⅶ 白島──海の対峙最前線
開放された「対決の島」
朝鮮戦争に参加した日本人
不発機雷で事故いまも
東北アジア漂着物共同体
平壌へ向かったキリスト教布教の進入路
Ⅷ 開城──南北協力の試金石
「休戦ライン」を越えて
「昔から商業都市」を強調
市民たちの表情に明るさ
南北共通「故郷の春」歌う
「食は開城にあり」
核論議もかたくな
離散家族の悲嘆いつ晴れる
引き揚げ日本人の「希望の地」
旅の終わりに──「戦争紀念館」にて
ベトナム派兵で反省
非武装地帯を世界遺産に
参考文献・資料
非武装地帯ツアーガイド
あとがき