アジア新風土記(89)マラッカ - 2024.11.15
生きる力を育む「朝の読書」
静寂と集中
『朝の読書が奇跡を生んだ』刊行から26年。
その後「朝の読書」はどうなっているのだろうか――?
現在、全国で約950万人の児童・生徒が取り組んでいます。実施している学校はいずれも「静寂」「集中」があり、授業・学力への影響は大きいと報告されています。
本書は「あさどく」に取り組む千葉・秋田・愛知各県の学校(小中高)、公共図書館、書店の現場を訪ね歩き、本好きを生み出す取り組みを取材。
脳科学者の川島隆太氏に「朝の読書」の効果や、翻訳家の金原瑞人氏に本の選び方や本の世界についても語って貰いました。
◎はじめに
1 高校で――愛知県立豊明高校の場合
*授業が始まる前に
*生徒たちに落ち着き
*くつろぎ読めるように
*本への関心、着実に
*生徒たちも「変わった」
2 朝の読書の始まり
*心の荒廃への対応に手応え
*静まる教室の説得力
*「趣味は読書」と言える生徒に
*体育の先生が旗振り役
3 朝の読書・四つの原則
*「みんなでやる」で成長
*「毎日一〇分」がきっかけに
*「好きな本」で主体性育む
*作文は求めず「読むだけ」
◇コラム=朝の読書の広がり-環境をつくって手助け
4 中学校で――横手市立横手南中学校の場合
*話題書は貸し出し中
*本にふれる機会を後押し
*新聞も活用-読み考える
*小学校から育つ本好き
*日本語力は思考の土台
5 読書感想文の達人
*総理大臣賞を中学時代に二回
*何回も読み主題をつかむ
*主人公に自分を重ねて
*先輩・むのたけじさんを尊敬
◇コラム=ふるさと納税で支援-出版取次大手が秋田県に寄付
6 朝の読書の効果
*算数などにも好影響
*地方で高い実施率
*学力への好影響を裏付け
*川島隆太さんに聞く
7 小学校で――袖ケ浦市立奈良輪小学校の場合
*ボランティアが一役
*本の世界を多くの子に
*大人も引き込む仕掛け
8 ネットワークづくり
*学校間で本を貸し借り
*博物館と教室をつなぐ
9 公共図書館の協力
*県内小中校に貸し出し
*新刊も購入し入れ替え
10 書店とともに
*店頭に「先生のおすすめ本」
*推薦が重なる本も
*乱読で思わぬ出会い
11 再び高校で――千葉県立八千代西高校の場合
*先生らで「朝読書委員会」
*努力と工夫の積み重ね
*朝読書委員会メンバーの声
12 翻訳家・金原瑞人さんに聞く
*本で人生面白くなる
*読み手次第の自分の世界
*大人の本と決めつけず
13 時間と教職員の「壁」を越えて
*教員からの反対
*読む力=技能を身に付けさせる
◎あとがき
【資料編】
▲高橋松之助記念「朝の読書大賞」受賞校一覧
▲学校の先生や司書さんが薦める、生徒に人気の本リスト
・小学生編
・中学生編
・高校生編