アジア新風土記(89)マラッカ - 2024.11.15
妻を看取る
老コミュニストの介護体験記
戦後、学生時代から共産主義に共鳴し、民主主義と労働運動に文字通り奔走してきた著者。レッドパージや運動先で失職をくり返しながら、やがて国政選挙に5度出馬するも落選。その著者を経済的にも精神的にも支え続けてきた妻が病に倒れ寝たきりに――。
労働運動一筋に生きたコミュニストは、「要介護5」に認定された畏友の妻を、自宅での介護を選択します。激動の戦後を生き抜いた夫婦の、尊敬と慈愛に満ちた『老々介護』6年間の記録!
第Ⅰ部 レッドパージで始まった夫婦の道のり
学園民主化の嵐
出会い
日本共産党への入党
父との確執と就職
抵抗児
レッドパージ
朝鮮戦争の真実
救世主の妻
捨てる神に拾う神
妻の日本共産党入党
京都市に移転
離党のトラブル
再就職の前と後
「無音の想い出」
二足の草鞋
東京・新大久保に移転
統一戦線の旗
「安保」と「三池」
奇妙な泥棒
転宅カンパの冥利
ふたたび京都で
大衆的学習運動
京都学習会館の建設
社会の外科医たれ
茨木市に転居
民主的医療運動に参加
根性バネ
国政選挙に挑戦
五分の二の挑戦
人口比一パーセントの党
野中広務氏との一騎打ち
共倒れの衝撃
大恩は山より高く
嬉しい「証言」
不屈の歴史を受けつぐ
第Ⅱ部 妻を看取るということ
──老コミュニストの介護体験記
仰天の酷知
在宅介護スタート
神も仏も
通所介護の初体験
わらをもすがる
「生きてるうちは頑張らんとなあ」
「押しつけ介護」との訣別
全肯定的・激励型介護への転換
一生懸命生きてます
「失ったものを数えるな、残ったものを最大限に生かせ」
集団力こそ原動力
利用者負担と訪問入浴
持久・対峙の相聞歌
笑顔の秘密
「戦友」の歌
ヘルパー真面目
生きてしやまむ
脳梗塞の発症
尊厳死の「宣言」
「胃ろう」の決断
介護の新段階
大病院ハシゴ体験
家族会議
目は心の窓
耐えて生きる
在宅介護の〝消灯ラッパ〟
苦闘の日々
最後のショートステイ
七度目の入院
緊急退院
旅立ちの刻
在宅介護六年を終えて
「ひとりじゃない」
最期のプレゼント
無名戦士の墓に眠る妻──「あとがき」にかえて
「無名戦士の墓」の由来
パリ・コンミューンの日
第七〇回合葬追悼会
無名戦士の墓と「ママちゃん」