アジア新風土記(89)マラッカ - 2024.11.15
保護者と仲よくする5つの秘訣
子どもの生きづらさ、親の生きづらさに寄り添う
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トラブルを起こす保護者は「先生をこまらせてやろう」と思っているのではなく、「何とか助けてほしい」「しっかり指導してほしい」と思っている保護者なのです。
教育困難な時代、教師と保護者が手をつなぐための知恵と方法を実践とともに伝授します!!
第Ⅰ部 保護者と手をつなぐ5つの秘訣
Ⅰ 保護者と一緒に悩み、一緒に解決する──共感する力を持とう
〈1〉 保護者からの苦情の手紙はなぜくるのか
保護者の「苦情」は〈不安や願い〉
〈2〉 保護者の思いの内を知る
「一晩おく効果」
「苦情」から学ぶしたたかさを
〈3〉 保護者に共感できる教師になるために
シゲチャンのお母さんはなぜ、いきなりしゃべり始めたか
シゲチャンが暴れていたわけ
人間はみんななぞのある生きもの
一人ひとりの発達課題を的確にとらえる大切さ
Ⅱ 保護者とのトラブルはなぜ起きるのか、
そのわけを知って接する
〈1〉 学校に対して正論で迫る「うるさい保護者」
「うるさい保護者」でいいではないか
協力的な保護者は教師にとって心地よい存在だけれど
〈2〉 心配なわが子を守るために学級の役員になったお母さん
学校中で有名な「うるさい保護者」
ハルカさんの感性に共感することから
ハルカさんの保護者が過激になっていったわけは?
「うるさい保護者」というとらえから〈不安を抱える保護者〉というとらえに
ハルカさんのお母さんとの連絡ノート
〈3〉 苦しい生活を強いられている保護者の辛さを知る
たった一〇日間で〝信頼される教師〟になったのは
一人親家庭で抱える子育ての大変さ
〈4〉 保護者のトラブルが裁判沙汰になってしまうのは
トラブルのはじまり
臨時保護者会を要求してきたアユミの両親
損害賠償請求訴訟へ
クラス替えの要求
現代家族の問題として
〈5〉 「うるさい保護者」でなくても子育てに困っている
保護者はたくさんいる
子育ての〝助っ人〟になろう
コウタの成長課題
「私も手伝うから、お母さんもがんばろう!」
気軽に保護者と連絡をとり合おう
わが子は〝殿様〟、子育てに立ちつくすお母さん
「捨てないよ」というメッセージ
亡霊のような「母性神話」に苦しむ母親たち
わが子の障害を認められない苦しさ
Ⅲ 教師の持つリーダーシップの大きさを自覚しよう
〈1〉 「行ってよかった」と思える保護者会に
「子どもたちを上手に転ばせてください」
「いま冷蔵庫にある材料でおいしい料理を作る」
「身辺自立はまず親がやって見せてください」
〈2〉一番攻撃しやすいのも教師、一番頼りになるのも教師
Ⅳ 保護者と保護者をつなぐ
〈1〉 保護者同士が〈出会う〉飲み会
〈2〉 「回覧ノート」は保護者をつなぐ〝必需品〟
〈3〉 地域で行った性教育
〈4〉 保護者の独自の活動で、自分の世界を広げる
Ⅴ お互いの人権を尊重し合う──ほどよい距離感で接する
教師は人権侵害を受けてはいないか
何でも受け入れてしまう親しさは信頼とは違う
第Ⅱ部【実践編】子どもの生きづらさ、親の生きづらさに向き合う
〔実践1〕カズヤの登校渋り──カズヤの自立と母親の自立を励ます
「朝、ぐずっているので、家に置いてきました」
廊下で泣きじゃくるカズヤと母
「いいんです、どうせあの子の人生なんだから……」
「明日から毎日、お迎えに行きますから」
二カ月間のお迎えの成果
友達の中で育ち始めたカズヤ
再び始まった登校渋り
「カズヤさんと遊ぶ会」をつくる
校長先生のちからを借りる
「明日から学校に行くことにした!」
〔実践2〕先生、わたしさびしかった──愛子をいじめに追いつめたもの
苦しさを表出する愛子
トラブルをくり返す三人
家庭訪問でわかり始めたこと
ひどくなる洋子へのいじめ
なぞの電話「お前の娘、どうにかしろ!」
「愛ちゃん、悪いと思っているんだけど、やっちゃうの」
人がまちがっていることをしてたら教えてあげよう
愛子の母の苦しみ
親たちの抱えていた事情
親たちを安心させた子どもたちの劇
親たちの変化、子どもたちの変化
「先生、わたし、さみしかった……」
〔実践3〕ユキコの小さな翼──家族の崩壊から家族の再生へ
1 ユキコの自立を支えて
黒い影
赤のボールペンで書かれた母からの伝言
「先生はあなたの味方だよ!」
「とってもいい先生なんです」
間違っても手を挙げ続けるユキコ
虐待の傷痕
「家には帰りたくない!」
両親への説得
「しせつにいかせてください」
2 ユキコと母に寄り添って
お母さん、自分を責めないで
ユキコの笑顔
せっかくここまで進んできたのだから
夫の暴力に耐えかねて──家族の崩壊
母親も虐待を受けていた
ゆっくりと歩き出そうね──家族の再生へ
生きづらさに向き合うということ
〔実践4〕つながりたい思いを一つに──いがみ合いから共同へ
学級崩壊から保護者の対立へ
三年生の担任になってへとへとな毎日
「問題」とされてきた親たちの辛さを知る
子どもたちと約束した合言葉
親同士の対話から共同の子育てへ
実現した「命の誕生」の授業
伊藤さんの「性教育講座」──保護者との共同
親の要求をどう受け止めるのか
〔解説〕今関実践から学ぶこと ──「つながる」ことへの希望 愛知教育大学教育学部教授 山田綾
あとがき ──私を教師として育ててくれたもの