アジア新風土記(90)マラッカ王国と琉球王国 - 2024.12.02
高嶋教科書裁判が問うたもの
著者 | 高嶋教科書訴訟を支援する会 編 |
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ジャンル | 社会 > 社会 |
出版年月日 | 2006/06/17 |
ISBN | 9784874983676 |
判型・ページ数 | 4-6・304ページ |
定価 | 本体2,000円+税 |
在庫 | 在庫あり |
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教科書に真実を、学校に自由を求めた教育運動
自らの長年の授業実践にもとづき、自信をもって執筆した原稿が、検定で削除を命ぜられた! 教科書は一体、誰のためにあるのか?! 東京の法廷で争われた家永訴訟と並んで、横浜で提起され、第一線の研究者も法廷で証人尋問に立った高嶋(横浜)教科書訴訟。そこでは何が争われ、何が明らかになったのか? その重要争点を収録、13年の軌跡をたどった記録!
原告 高嶋 伸欣
全否定された執筆意図/執筆原稿は教師経験二五年間の集大成!/提訴を決意する/教科書裁判の原告が出にくいのは…/支援する会の発足/杞憂だった大学当局からの圧力/検定官の「ひとり言」は検定意見?/「改竄資料」で作成された検定意見/地裁判決を否定する東京高裁の判断/徹底した松浦氏の検証/「高校生には無理」という論理/最終判断は生徒に委ねよう!/教科書検定事例の教材化/「教室の審判」素材として/良心の寄り添いの場として
Ⅱ章 ドキュメント・高嶋教科書訴訟の13年
1「支援する会」立ち上げと口頭弁論スタート
2 横浜地裁証人尋問
3 横浜地裁一部勝訴判決、そして控訴審へ
4 東京高裁証人尋問と判決
5 最高裁への上告と「つくる会」教科書攻勢
6 最高裁判決とそれから
【年表】高嶋教科書訴訟・13年のあゆみ
Ⅲ章 福沢諭吉の「脱亜論」と勝海舟の「氷川清話」
福沢諭吉のアジア認識──「脱亜論」の占める位置 名古屋大学名誉教授 安川 寿之輔
はじめに──新たな「脱亜論」擁護の登場
Ⅰ 幕末・初期啓蒙期の福沢の国際関係認識
弱肉強食「パワ・イズ・ライト」の国際関係/初期啓蒙期の福沢についての誤認──福沢研究史上最大の誤読箇所/初期啓蒙期福沢のアジア認識
Ⅱ 中期福沢の保守思想の確立と強兵富国路線──脱亜入欧=帝国主義への道
福沢と自由民権運動──公約「一身独立」追求の放置と「愚民を籠絡する…欺術」としての天皇制の選択/「強兵富国」のアジア侵略路線──「脱亜論」への道のり
Ⅲ アジア太平洋戦争への道のり
はじめに──福沢の「光として夢の如」き人生総括/日清戦争の勝利は「唯是れ日本の外交の序開き」──福沢の壮大な東洋政略論/靖国神社の軍国主義的利用──「以て戦場に斃るるの幸福なるを感ぜしめざる可らず」/旅順虐殺事件の隠蔽に加担──南京大虐殺への道/日韓併合の可能性の示唆/「昭和十年代」の「滅私奉公論」の先取り/日本軍性奴隷=「従軍慰安婦」構想/「満蒙は我国の生命線」の先駆/おわりに──福沢は日本近代化の道のり総体の「御師匠番」
補足──『福翁自伝』は生涯にわたるアジア蔑視思想確認の資料
勝 海舟のアジア観 元桃山学院大学教授 松浦 玲
(A)総論
はじめに
【Ⅰ】
欧米一辺倒ではなかった海舟/初代「海軍卿」を一年余で辞す/江華島事件/在野期の清国との交際/無視された意見/日清戦争は「無名の師」/アジアのために日本を憂う
【Ⅱ】
海舟と西郷─「征韓論」をめぐって/厳本善治の証言/果たせなかった朝鮮渡航/アジア同盟主義をつらぬく/なぜ「西郷は征韓論者に非ず」か/西郷の憤り/征韓論と日清戦争─海舟の信念
(B)各論
明治の勝海舟のアジアに対する基本的認識、姿勢、同時代人のなかでの特異性について/「朝鮮は昔お師匠様」について/「殖民論」について/講談社版勝海舟全集の『氷川清話』が採った措置について/西郷隆盛の征韓論について/拙著『明治の海舟とアジア』に対する反対意見について/明治期の海舟に対する他の研究について/勝海舟と福沢諭吉との関係/「朝鮮は昔お師匠様」と「脱亜論」を対比させることの当否
Ⅳ章 家永訴訟から高嶋訴訟へ 高嶋教科書訴訟弁護団副団長・弁護士 大川隆司
はじめに
一、高嶋訴訟の背景としての家永訴訟
第一次家永訴訟の可部判決のカベに挑むという目的/第二次家永訴訟の杉本判決の成果を維持するという目的
二、第三次家永訴訟との併走
共通の目標の追求/第三次家永訴訟/第三次家永訴訟上告審判決(大野判決)/高嶋訴訟第一審判決(慶田判決)/未達成の課題としての可部判決克服
三、高嶋訴訟の固有の課題
九〇年代検定とのたたかい/検定手続の「透明化」の追求/文書提出命令の申立てをめぐる攻防/情報公開法を先取りしたたたかい
四、教科書訴訟の四〇年をふりかえる
〔資料〕判決と最高裁判決に対する声明
横浜地裁判決(一九九八年四月)
控訴審(東京高裁) 判決(二〇〇二年五月)
最高裁判決(二〇〇五年一二月)
高嶋教科書訴訟・最高裁判決に対する原告としての声明──原告/高嶋伸欣
高嶋教科書訴訟を支援する会・声明
高嶋教科書訴訟最高裁の不当判決に抗議する──子どもと教科書全国ネット21常任運営委員会
高嶋教科書訴訟に対する最高裁の不当判決に抗議する──歴史教育者協議会常任委員会