アジア新風土記(89)マラッカ - 2024.11.15
イギリスの教育改革と日本
ドラスティックな競争原理を導入したイギリスの教育改革。
その学校制度はもう一方で、各学校に大幅な自由を保障し、自主運営の権限をゆだねているのだ。
イギリスの教育制度を、日本と対比しつつ紹介した労作!
イギリスの教育改革を通して日本の教育改革を考える
UK・イギリス・イングランド
イギリスの学校教育階梯の概略
Ⅰ ナショナル・テストと リーグ・テーブル(学校成績順位一覧表)
(1) リーグ・テーブル
(2) 成績の急速な向上
(3) リーグ・テーブルの効果と批判
Ⅱ 一九八八年教育改革法と教育改革
(1) 一九四四年教育法による教育改革
(2) 一九八八年教育改革法と教育改革の特徴
ナショナル・カリキュラムとそれに基づくナショナル・テストの設定
ガバナー制度
地方的財政経営(LFM)による財政権限の学校への委譲
グラント・メインテインド・スクール(GMスクール)の創設
CTC(シティー・テクノロジー・カレッジ)の設立
学校へのオープン・エンロールメント・システムの導入
大学システム、制度の変更
インナー・ロンドン教育当局(ILEA)の廃止
(3) 一九八八年教育改革の性格
Ⅲ 競争と学力向上とリテラシー政策
(1) 学力向上政策とリテラシー・アワーの設置
(2) リテラシーの向上政策
(3) 失業対策としての学力向上政策
(4) テスト多発と競争主義が引き起こす矛盾と批判
新ASレベル・テスト導入の混乱
テストをめぐるトラブルと競争を支えるシステムの展開
日本の塾システムとの違い
Ⅳ アンダー・クラスの形成と学校の困難
(1) アンダー・クラス(底辺階層)の形成
(2) トゥルーアンシーとイックスクルージョン
(3) いじめ、学校の規律、生徒の道徳性の形成
(4) 学校の機能の変化
Ⅴ ガバナー制度と学校経営システム
(1) ガバナー制度
ガバナー制度の歴史
イギリスの学校の区分について
ガバナーの構成
ガバナーの権限と実体
ガバナー制度の性格
(2) チョイス(学校選択)とその結果
チョイスの条件の整備
チョイスと学校の格差化の進行
チョイスがもたらすもの
補足──ホーム・ティーチング
Ⅵ 学校管理・インスペクション・民営化
(1) 中央集権化と分権化、そして民営化
(2) インスペクション
(3) 中央統制の強化と矛盾──サマーヒル・スクールへの介入事件
Ⅶ 中等教育をめぐる論争と対立──私立学校問題を含んで
(1) 現在の中等教育の全体構造
(2) グラマー・スクールをめぐる動向と論争
中等教育制度をめぐる労働党と保守党との対立の歴史
グラマー・スクールをめぐる労働党とブランケット大臣の「変節」
(3) 私立学校と学校格差政策
(4) 日本との違い
Ⅷ 教師の苦悩 (1) 「成果による賃金制度」導入の経過と結果
(2) 教員養成と採用、教師の地位
教員養成と採用の仕組み
教師の苦悩と退職、極度の教員不足
(3) 校長の位置
(4) 教師の増員、学級規模の改善
(5) 親の思いと教師の思い
Ⅸ 大学教育の変化
(1) 大学生の現状
大学生の構成
大学進学者数の変化
継続教育(ファーザー・エヂュケーション)
(2) 労働党の大学教育政策
大学拡張政策
授業料問題
大学経営の困難──独立採算方式
(3) 平均化の努力と格差化と
大学入試制度
大学格差是正の努力
大学のリーグ・テーブル
Ⅹ シチズンシップの教育
(1) クリック・レポート
シチズンシップ教育登場の背景
クリック・レポートの骨子
クリック・レポートの矛盾と困難
(2) 市民社会の矛盾
イギリスの青年、学生の位置
イギリスの市民社会の特徴
XI 新労働党と教育政策
(1) 新労働党の政策
(2) ブレアー政権の教育政策
(3) 新労働党の政策の矛盾
XII イギリスの教育と教育学 ──日本との比較のなかで考える
(1) 福祉と底辺層のバック・アップ政策の展開
(2) ガバナー制度と学校の自由
(3) 競争の抑制
(4) 教育の公共性の再編のための試行錯誤
(5) イギリスにおける教育学の行方
イギリスの教育に触れて
イギリス到着
バーミンガムでの住居・生活
環境・車・自転車・イギリスの大地
バーミンガム大学教育学部での一年
再び日本の教育現実に戻って