アジア新風土記(89)マラッカ - 2024.11.15
横浜事件・再審裁判とは何だったのか
権力犯罪・虚構の解明に挑んだ24年
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最新の資料に基づいて客観的にまとめた横浜事件の全体像。事件についての最も信頼できる概説。
Ⅰ 横浜事件──“特高の時代”の権力犯罪 橋本 進
1 十指に余る拷問・捏造事件
2 事件の拡大──一つの事件から次の事件へ
■米国共産党員事件
■ソ連事情調査会事件
■細川論文事件=細川嘉六を中心とする、いわゆる党再建準備会グループ事件
■党再建準備会=「泊会議」事件
■政治経済研究会事件
■改造社並に中央公論社内左翼グループ事件
■日本編集者会、日本出版社創立準備会事件
■日本評論社内左翼グループ事件
■満鉄調査室事件
■愛政グループ事件
■検挙者の友人・知人たち
3 捏造の上に捏造
■無限拡大の可能性
■泊事件を中核とする新たな虚構へ
4 恥ずべき判決の集積──「犯罪事実」はすべて幻
■拷問特高の告発
■拷問→「自白」→調書
■「予審終結決定書」のコピーとしての判決
■西沢、和田判決を見る
5 反戦思想・言論の根だやしをねらった「思想戦」
■特高の事件総括
■ねらいは反戦思想の根絶
■中央公論社、改造社への解散命令
6 未決の「戦争責任」、「歴史のけじめ」を求めた再審請求運動
■その後の特高、権力に返り咲いた内務・司法官僚
■「歴史の決着」を求めて
Ⅱ 再審裁判への道と日本の裁判 大川 隆司
1 治安維持法の廃止から特高警察官の告訴まで
2 特高警察官告訴事件のてんまつ
3 横浜事件を記録する営み
4 再審請求を促した要因
5 変わりゆく時代状況の中で
6 治安維持法とは何だったのか
Ⅲ 横浜事件の再審裁判は何を求め、何を勝ち取ったのか
──横浜事件第四次再審請求の意義 佐藤 博史
私の横浜事件との出会い
横浜事件の概要
再審裁判の流れ
(1)請求審─即時抗告審─特別抗告審
(2)再審公判─刑事補償請求
第一次再審請求
第二次再審請求
第三次再審請求
第三次再審公判
第四次再審請求
(1)治安維持法の“構造”
(2)消えた「泊会議」
(3)第四次再審の「新証拠」
(4)第四次はなぜ「拷問」を再審理由にしなかったのか
(5)第四次再審開始決定の論理構造
鞐権力によるフレームアップを認めた大島開始決定
第四次再審公判
(1)公判期日─無罪の弁論
(2)「実質無罪」の免訴判決
(3)最高裁判決の“壁”
(4)免訴判決を確定させ、刑事補償請求へ
第四次・第三次刑事補償請求
(1)第四次と第三次の再びの「合流」
(2)大島補償決定が認めた横浜事件の虚構
(3)特高警察による拷問を認定
(4)思想検事と思想判事の過ちを認定
(5)弁護人の責任
横浜事件再審裁判の総括
Ⅳ 《横浜事件・再審裁判を支援する会》二四年の歩み 橋本 進
1 国家秘密法案反対運動の中での発足
2 第一次請求──運動の広がりと裁判所の壁
■「支援する会」の出発
■運動の展開
■最初の門前払い
■最高裁の扉をひらかせるために
3 再挑戦を決意
■「新証拠」のための新資料探索
4 第二次再審請求──「突破口」としての挑戦
■地裁の棄却、第三次請求の申し立て
■日弁連の支援
5 第四次請求と第三次再審裁判
■第三次請求で再審開始
■第四次再審請求の意義
■「端緒の地」碑の建立
6 「実質無罪」から「無罪」の証明へ
第二次・四次再審請求人として
父・小野康人の面影 小野 新一
横浜事件と母の人生 齋藤 信子