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「軍事植民地」沖縄

日本本土との「温度差」の正体

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既に60年余り軍事利用されてきた沖縄は、軍事植民地にほかならない。住民の意思をそらし、懐柔する虚偽の言説を暴く！

著者	吉田　健正著
ジャンル	沖縄関連書 > 沖縄
出版年月日	2007/06/20
ISBN	9784874983850
判型・ページ数	4-6・304ページ
定価	本体1,900円＋税
在庫	在庫あり

この本の内容

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沖縄戦の後、沖縄住民を切り捨て、復帰後もその願い・要求をそらし、すりかえ、今なおアメとムチの使い分けで植民地状態を保持し続けようとするこの国の政治に対して――戦争中の沖縄に生まれ、ミズーリ大学卒後、沖縄タイムス、ＡＰ通信、ニューズウィークの記者をへて桜美林大学で17年間、国際政治を教えた後、故郷・沖縄に帰った著者が、渾身の力を込めて異議を申し立てる！

第Ⅰ部　「軍事植民地」六〇年の歴史
　１　「沖縄の連中はいい加減にせい」と言う軍事アナリスト
無視される沖縄
米軍絶対の占領支配
沖縄を切り捨てた対日平和条約第三条
アイゼンハワーの沖縄基地「無期限保持」表明
プライス勧告と島ぐるみ闘争
沖縄の帝王・高等弁務官の登場
佐藤首相の沖縄訪問
無視された沖縄の要請
沖縄への責任転嫁
　２　「アジア最後の植民地」沖縄
米国の沖縄「信託統治」をめぐって
国連憲章に定められた信託統治制度の基本目的
信託統治領とは植民地のこと
高等弁務官という名の植民地総督
「リトル・アメリカ」
植民地解放を訴えた琉球立法院
「軍政は占領地政治」と報じた産経新聞
軍事基地帝国の軍事植民地
　３　「軍事植民地」沖縄を支えているのはだれか
世界で群を抜く日本の対米軍事支援
アメとムチ
未必の故意の共犯者
　４　「朝日報道」があばいた米軍統治の実態
「本土から取り残された人々」の実態
ベル牧師の訴え
宅地一坪がコカコーラ一本の値段
米国は報道内容を否定
沖縄住民の問題は米国の「内政問題」
アメリカ的原則を訴えたボールドウィン
　５　日米地協定にみる従属の構図
米軍優先の日米地位協定
米軍基地と日本国憲法
日本の法律は適用されない
日本の法令は適用？　適用外？
米軍の運転許可証だけで走れる日本の道路
犯罪の捜査・公判・刑執行は適切か
米側の「好意的な考慮」に委ねられた犯罪者の身柄引き渡し
協定は「改正」より「運用の改善」
被害者救済には日本政府が補償金を補填
沖縄県の要請
住民を悩ませる米軍機の爆音を差し止められない日本
日本の主権を侵す地位協定
第Ⅱ部　米軍・米兵を見る沖縄の眼
　１　米兵に「ビールを一杯ずつおごってやった」　前沖縄担当首相補佐官
五〇〇円のビールで閉店までねばる海兵隊員
東京旅行招待計画
米兵は誰のために沖縄にいるのか
　２　「良き隣人」の条件
「グッド・ネイバー」──民間と軍との相違
「米軍＝良き隣人」を宣伝する日本政府
沖縄に見る「良き隣人」活動
海兵隊に関する「良いニュース」を伝える
沖縄の願いと異なる米軍の「献身」
海兵隊は平和部隊ではない
「良き隣人計画」の欺瞞性
　３　基地との共存を説く高級官僚たち
米軍に代わって謝罪・補償する日本政府
基地と共生・共存して欲しい
だれのための「沖縄大使」か
　４　沖縄の米軍人・軍属の犯罪率は、沖縄住民の犯罪率よりも低いか
復帰前よりはたしかに減ったが
沖縄人の対米軍（人）犯罪
海兵隊からの回答──「情報はない」
米軍内の犯罪
「低い犯罪率」賞賛の虚構
青信号で横断中の中学生をひき殺して無罪
根拠のない米軍人・軍属の低い犯罪率
　５　「基地経済」の実態を検証する
米軍が主張する「経済貢献」
基地経済を支える「思いやり予算」
政府交付金に依存する市町村
基地のマイナス効果
再開発で生まれ変わる基地跡地
「国際都市形成構想」が描いた夢
第Ⅲ部　「祖国」から遠く離れて
　１　沖縄「同胞」より「対米関係」
天皇メッセージ
沖縄の“潜在主権”は認められたものの
在沖米軍基地の無期限保持に外務省は「理解」を表明
米民政府の弾圧刑法も法務省は容認
　２　「琉球住民」と「日本国民」の間で
国籍法では「日本国民」
憲法は適用されない
沖縄住民は外国にいる日本人と同じ
沖縄住民を保護するのはどこの国？
米国側の名称は「琉球人」「琉球住民」
日本渡航証明書
琉球船舶旗というのもあった
　３　「密約」で葬られた沖縄人の権利
「献呈」された庁舎も買い取る
吉野元外務省アメリカ局長の証言
他にも疑われる密約の存在
　４　「祖国復帰」がもたらしたもの
金網の向こうのアメリカ
「日本」との距離
基地の撤去は不可能ではない
世界の中の沖縄
主な参考文献
　あとがき