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アジア新風土記（89）マラッカ - 2024.11.15
-
2016.11.28
福沢諭吉の戦争論と天皇制論
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「民主主義の先駆者」という福沢像は、丸山眞男はじめ先行研究によって作り上げられた。だがその実像は、アジアへの侵略を合理化する帝国主義者だった。その教育論、女性論もまた、差別の論理でつらぬかれる。にもかかわらず、近年刊行された福沢女性論の研究も、依然として福沢を女性解放論者として祭り上げている。その虚妄を、本書は福沢自身の言葉と事実により打ち砕く！
序章 なぜ本書を書かねばならないか──杜撰な認定研究を持ち上げるマスコミへの批判
はじめに──二度目のまわり道
１ 井田進也・平山洋による『福沢諭吉全集』無署名論説の杜撰な筆者認定作業
「井田メソッド」とは
「脱亜論」起草者の粗雑な誤認定
「日本臣民の覚悟」認定の致命的誤り
「脱亜論」を「対中国不干渉論」とする曲芸的解釈
平山洋『福沢諭吉の真実』の〝壮大な虚構〟の13仮説
２ 井田・平山の著作を評価・賞賛するマスコミ
井田・平山の著作はどう迎えられたか
ワナにはまった「毎日」「朝日」の紹介記事
マスコミの福沢諭吉理解の水準
平山洋『福沢諭吉の真実』賞賛の大合唱
基本的文献を見落とした井田・平山の認定作業
学界での反応
Ⅰ 平山 洋『福沢諭吉の真実』の作為と虚偽
はじめに──置き去りにされた「福沢の思想」の検証
１ 福沢の指示と思想に忠実そのものだった石河幹明
コラム 書簡による石河宛の指図（一八九二年三月以降）
２ 石河起草以前の福沢の「脱亜論」への道
コラム 福沢諭吉のアジア・天皇制認識と無署名論説筆者認定の一覧表
３ 『尊王論』の著者までが石河幹明であるとは
コラム 福沢の天皇制思想の歩み
Ⅱ 井田進也『歴史とテクスト』の杜撰と欠陥
はじめに──起草者認定の粗雑な失敗
１ 論説「日本臣民の覚悟」筆者認定の致命的誤り
コラム 無力で杜撰な「語彙や表現」による筆者認定
コラム 「日本臣民の覚悟」の全文 145
コラム 福沢の「忠勇義烈」「滅私奉公」論 152
コラム 福沢の権謀術数的発言 159
２ 井田の認定研究の目的──福沢諭吉の「名誉回復」という作為
３ かくも明らかな福沢「脱亜論」に至る道のり──第四論文批判
４ 「丸山諭吉」をして福沢を語らしめる研究──第五論文批判
Ⅲ 日清戦争期の福沢諭吉──平山洋による「井田メソッド」の欠陥の拡大再生産
１ 「福沢と石河のアジア認識は全く異なって」いたか
２ 日清戦争遂行を鼓舞・激励・支援する福沢諭吉
石河幹明『福沢諭吉伝』記述を「明白な虚偽」と決めつけた平山説
コラム 「時事新報」における二社説の同日併載とその意味
「日清戦争は文野の戦争なり」の筆者は福沢諭吉
コラム 「豊島沖海戦」戦捷の日の福沢諭吉
「台湾の騒動」の筆者も福沢諭吉
コラム 福沢諭吉の壮大な東洋政略論
コラム 福沢諭吉は融通無碍の「思想家」（１）
福沢諭吉は日清戦争にどう向き合ったか
３ 『福沢諭吉全集』⑭「後記」は正しい
コラム 平山の断定「明白な虚偽」は明白な誤り
４ 旅順虐殺事件報道──「贔屓の引き倒し」
５ 脳卒中発作以後の福沢諭吉と石河幹明──石河は変わりなく福沢の思想・文章を忠実に踏襲
コラム 福沢諭吉の帝室尊厳論
６ 福沢の愚民観とアジア蔑視観──福沢は中国人を「豚」「乞食」呼ばわりの「漫言」を書いた
コラム 福沢の〝新自由主義的〟教育論
７ 福沢は「典型的市民的自由主義」者ではない──「丸山諭吉」像への追従
コラム 福沢は融通無碍の「思想家」（２）
コラム 福沢諭吉と教育勅語
終章 福沢諭吉と田中正造──近代日本の光と影
１ 人間観から足尾銅山鉱毒事件まで
人間観──平等か差別的人間観か
自由民権運動──二人の分岐点
教育勅語──天皇制道徳か社会連帯の道徳か
「軍艦勅諭」による軍備拡大──天皇大権主義的な天皇制の運用か否か
足尾銅山鉱毒事件──企業擁護か「一人の人道」擁護か
２ 日本の進路をめぐって
戦争論──武力至上か「無戦主義」か
国権拡張至上主義か内事優先か──「鉱毒問題は日露問題よりも先決」
文明論による侵略の合理化か、文明のもたらす環境問題とのたたかいか
帝国主義的進出と「亡国」の道──北清事変（義和団鎮圧）をめぐって
「小国主義」か「大国主義」か
中国・朝鮮兵認識──「豚尾兵、乞食の行列」か「軍律をもつ文明の軍隊」か
３ 近代日本の「光」と「影」
二人の人生の総括
二人の葬儀──衆議院「哀悼の意」と「前代未聞の国民大衆葬」
［補論］『福沢諭吉と丸山眞男』をめぐる反応・反響──都留重人の丸山評価と慶應義塾卒業生の手紙
福沢諭吉のアジア・天皇制認識と無署名論説筆者認定の一覧表
人名索引
あとがき
はじめに──二度目のまわり道
１ 井田進也・平山洋による『福沢諭吉全集』無署名論説の杜撰な筆者認定作業
「井田メソッド」とは
「脱亜論」起草者の粗雑な誤認定
「日本臣民の覚悟」認定の致命的誤り
「脱亜論」を「対中国不干渉論」とする曲芸的解釈
平山洋『福沢諭吉の真実』の〝壮大な虚構〟の13仮説
２ 井田・平山の著作を評価・賞賛するマスコミ
井田・平山の著作はどう迎えられたか
ワナにはまった「毎日」「朝日」の紹介記事
マスコミの福沢諭吉理解の水準
平山洋『福沢諭吉の真実』賞賛の大合唱
基本的文献を見落とした井田・平山の認定作業
学界での反応
Ⅰ 平山 洋『福沢諭吉の真実』の作為と虚偽
はじめに──置き去りにされた「福沢の思想」の検証
１ 福沢の指示と思想に忠実そのものだった石河幹明
コラム 書簡による石河宛の指図（一八九二年三月以降）
２ 石河起草以前の福沢の「脱亜論」への道
コラム 福沢諭吉のアジア・天皇制認識と無署名論説筆者認定の一覧表
３ 『尊王論』の著者までが石河幹明であるとは
コラム 福沢の天皇制思想の歩み
Ⅱ 井田進也『歴史とテクスト』の杜撰と欠陥
はじめに──起草者認定の粗雑な失敗
１ 論説「日本臣民の覚悟」筆者認定の致命的誤り
コラム 無力で杜撰な「語彙や表現」による筆者認定
コラム 「日本臣民の覚悟」の全文 145
コラム 福沢の「忠勇義烈」「滅私奉公」論 152
コラム 福沢の権謀術数的発言 159
２ 井田の認定研究の目的──福沢諭吉の「名誉回復」という作為
３ かくも明らかな福沢「脱亜論」に至る道のり──第四論文批判
４ 「丸山諭吉」をして福沢を語らしめる研究──第五論文批判
Ⅲ 日清戦争期の福沢諭吉──平山洋による「井田メソッド」の欠陥の拡大再生産
１ 「福沢と石河のアジア認識は全く異なって」いたか
２ 日清戦争遂行を鼓舞・激励・支援する福沢諭吉
石河幹明『福沢諭吉伝』記述を「明白な虚偽」と決めつけた平山説
コラム 「時事新報」における二社説の同日併載とその意味
「日清戦争は文野の戦争なり」の筆者は福沢諭吉
コラム 「豊島沖海戦」戦捷の日の福沢諭吉
「台湾の騒動」の筆者も福沢諭吉
コラム 福沢諭吉の壮大な東洋政略論
コラム 福沢諭吉は融通無碍の「思想家」（１）
福沢諭吉は日清戦争にどう向き合ったか
３ 『福沢諭吉全集』⑭「後記」は正しい
コラム 平山の断定「明白な虚偽」は明白な誤り
４ 旅順虐殺事件報道──「贔屓の引き倒し」
５ 脳卒中発作以後の福沢諭吉と石河幹明──石河は変わりなく福沢の思想・文章を忠実に踏襲
コラム 福沢諭吉の帝室尊厳論
６ 福沢の愚民観とアジア蔑視観──福沢は中国人を「豚」「乞食」呼ばわりの「漫言」を書いた
コラム 福沢の〝新自由主義的〟教育論
７ 福沢は「典型的市民的自由主義」者ではない──「丸山諭吉」像への追従
コラム 福沢は融通無碍の「思想家」（２）
コラム 福沢諭吉と教育勅語
終章 福沢諭吉と田中正造──近代日本の光と影
１ 人間観から足尾銅山鉱毒事件まで
人間観──平等か差別的人間観か
自由民権運動──二人の分岐点
教育勅語──天皇制道徳か社会連帯の道徳か
「軍艦勅諭」による軍備拡大──天皇大権主義的な天皇制の運用か否か
足尾銅山鉱毒事件──企業擁護か「一人の人道」擁護か
２ 日本の進路をめぐって
戦争論──武力至上か「無戦主義」か
国権拡張至上主義か内事優先か──「鉱毒問題は日露問題よりも先決」
文明論による侵略の合理化か、文明のもたらす環境問題とのたたかいか
帝国主義的進出と「亡国」の道──北清事変（義和団鎮圧）をめぐって
「小国主義」か「大国主義」か
中国・朝鮮兵認識──「豚尾兵、乞食の行列」か「軍律をもつ文明の軍隊」か
３ 近代日本の「光」と「影」
二人の人生の総括
二人の葬儀──衆議院「哀悼の意」と「前代未聞の国民大衆葬」
［補論］『福沢諭吉と丸山眞男』をめぐる反応・反響──都留重人の丸山評価と慶應義塾卒業生の手紙
福沢諭吉のアジア・天皇制認識と無署名論説筆者認定の一覧表
人名索引
あとがき
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