アジア新風土記(89)マラッカ - 2024.11.15
旭川・アイヌ民族の近現代史
アイヌ民族運動の拠点となった旭川を舞台に描いた、初めてのアイヌ民族近現代史!
北海道の地名はアイヌ語から
あなたはなぜ北海道にいるのか
拓殖=開拓=開発
秩父別開村三十周年記念誌より
知里真志保のアイヌ観
武田泰淳『森と湖のまつり』
二十世紀は世界の諸民族の独立の世紀
執筆に際して
Ⅰ章 近文アイヌ給与地をめぐって
1 和人の侵略とアイヌ民族
ペニウンクルとパナウンクル
北海道の拓地殖民
アイヌ民族と松前藩
商業資本家による飽くなき収奪
松浦武四郎の残したアイヌ虐待の記録
旭川アイヌ民族の指導者・クウチンコロ
アイヌ固有の生きる姿勢
2 「北海道旧土人保護法」に向けて
北海道開拓使の同化政策
ペニウンクルの近文「集住」
近文の給与地──屯田兵の場合・アイヌの場合
アイヌ語を話すジョン・バチェラー
白仁武と新渡戸稲造──新進の官吏たち
北海道旧土人保護法の成立
3 第一次近文アイヌ地問題(搾取事件)
「詐取事件」の背景
「土人ヲ退去セシムヘシ」
鷹栖村有志の決起、請願書却下
代理人・朝山弁護士による告訴
北海道毎日新聞のキャンペーン
転機は有志政談演説会
近文アイヌ代表と鷹栖・旭川村有志の上京行動
電報「トリカヱシタ」
アイヌと琉球の「佐倉惣五郎」
第一次近文アイヌ地問題、事件の終局
近文アイヌ住民と鷹栖・旭川有志の共闘
自由民権に連なる硬骨の士・板倉才助
「給与地」が「給与予定地」、「割渡地」が「貸付地」へ
4 第二次近文アイヌ地問題(詐取事件)
第二次の詐取事件に向けての“火種”
天川恵三郎の金銭疑惑とは
道庁の責任「放過」──新聞報道より
河田贇平の登場
小谷部全一郎と「北海道旧土人救育会」
北海道旧土人救育会の介入、栗山国四郎の登場
砂沢クラの記憶
近文アイヌ地の生活
天川恵三郎の世評
金田一京助と天川恵三郎
天川恵三郎の近文アイヌ地構想
浜益の天川恵三郎
天川恵三郎の「拘引」
旭川町・建議書の意味するもの
奥田千春・旭川町長と「一戸五反歩」案
新たな「紛擾」
栗山国四郎の動揺と孤立
天川恵三郎、再度の登場
近文アイヌ給与地は近文アイヌ住民のもの
天川恵三郎に「予戒令」発動
当事者(アイヌ民族)不在の行政
Ⅱ章 自立への道
1 川上コヌサアイヌとイヨマンテ興行
忘れられていた川上コヌサアイヌ
『井口元一郎手記』に描かれたコヌサ像
石狩・生振から近文へ
明治四十四年、五十一歳コヌサの転身
コヌサの熊祭興行
コヌサの熊祭りと近文アイヌ住民
熊祭りのもう一つの主役・ピリカメノコ
「大切にしたものは」、「金だよ」
アイヌ地を震撼させた“万引事件”
万引事件が問うもの
川上コヌサアイヌ、観光業の挫折
晩年の川上コヌサアイヌ
2 「解平社」から全道アイヌ青年大会へ
「水平社」と「解平社」
「解平社」の結成
旭川・近文での「解平社」結成の背景
地元紙・旭川新聞の報道
「解平社」のメンバーたち
砂沢市太郎と間見谷ベラモンコロ
「解平社」のその後
昭和初期の旭川・近文
十勝アイヌ旭明社の結成
アイヌ保護法問題差別観念打破大演説会
道庁社会課員・喜多章明と近文アイヌ説得
喜多章明の「旧土人大会」について
近文アイヌ不在の北海道アイヌ協会
「解平社」と「アイヌ一貫同志会」
「和人化・同化」をめぐる対立
「眠れるウタリに伝ふ覚醒の暁鐘」全道アイヌ青年大会
青年大会の「名称」と「主催」
予想外の議事展開
喜多章明のアイヌ青年大会評
戸惑い、たじろぐバチェラー
3 第三次近文アイヌ地問題(アイヌ地返還運動)
荒井源次郎のこと
川村カネトアイヌと長野・三信鉄道
「夜陰密かに」喜多章明の登場
「運動の顛末」と「アイヌ地運動経過報告概述」から
荒井源次郎の喜多章明批判
旭川近文官有地借地人組合の運動
近文アイヌ給与地の実情
部落民大会を起点として
豊栄互助財団の創立
『特高資料』が描く「アイヌ民族運動」の背景
最初の上京団
幻に終った近代式アイヌ共同住宅構想
近文アイヌ部落民大会
“財団派”対“穏健派”
豊栄互助財団、消える
アイヌ細工実演販売で資金稼ぎ
在日朝鮮人団体からの「応援申し出」
荒井源次郎の陳情行動
荒井源次郎の苦悩
アイヌ地返還運動の結末
アイヌ問題研究会
松井国三郎のこと
Ⅲ章 新しい民族文化の創造
1 旭川・近文での木彫り熊の誕生
木彫り熊とは
木彫り熊の前史
松井梅太郎のヒグマとの格闘
木彫り熊誕生のエピソード
オサラッペ川埋もれ木による「木彫り熊」
柴崎重行と栗山国四郎の出会い
佐々木長左衛門は木彫り熊のプロデューサー
木彫り熊を生んだ時代背景
2 木彫り熊と近文アイヌ住民
アイヌ地返還運動と木彫り熊の結合
松井国三郎と阿部三次郎の上京実演販売
川村カネトアイヌとアイヌ文化資料参考館
木下源吾と旭川アイヌ芸術協会
“川村派”対“川上派”
旭川アイヌ手工芸品組合の結成
『買上品処理簿』『金銭出納簿』にみる手工芸品組合の実態
小坂佐久馬「児童の手になる近文アイヌ部落の研究」より
荒井源次郎、砂沢市太郎の転居
松井梅太郎の活躍
終章 戦後のアイヌ民芸の展開
砂沢ビッキのこと
戦後、旭川での文化運動の出発
「新しいアイヌコタン」を求めて
アイヌ民芸協団の発足
北海道開発大博覧会とアイヌ記念館の復活
ほっかい民芸舎のスタート
二風谷のアツシ織とほっかい民芸舎
間見谷喜文とほっかい民芸舎
間見谷喜文の彫刻
北海道旧土人保護法、九十八年目の廃止
旭川・アイヌ民族の近現代史=年表
参考文献
あとがき