アジア新風土記(89)マラッカ - 2024.11.15
予備校教師からの提言
授業・入試改革へ向けて
「台湾と満州って違う所なんですね」「『イナゴ』って日本史用語集に載っていないんですけど」……生徒たちの恐るべき学力低下の実態、今やレジャーランド化した予備校で、「歴史は暗記モノ」と思い込む生徒たちに、良質の入試問題を精選し、受験勉強しながら「歴史のおもしろさ」を学べることを実証しつつ、「受験戦争の元凶」という予備校に対する先入観を事実に基づいてくつがえす新しい予備校論・授業論。
「学力低下」の実態
トンデモ受験参考書
ノートが取れない予備校生
レジャーランド化した予備校
予備校の授業の仕組みと講師の地位
第2章 予備校に対する大いなる誤解と疑問
学生が握る予備校講師の「生殺与奪の権」
パフォーマンス的授業は淘汰される
予備校の「人気講師」像
「わかりやすさ」は「点を取れる」ということか
予備校講師に評判の悪い「受験テクニック伝授型」
入試問題を用いて「目からウロコ型」の授業へ
学会の研究動向から入試問題の傾向を予測する
学校の授業への問いかけ──四つの授業タイプ
学校と予備校の接点はあり得ないのか
第3章 「ロジカル日本史」のすすめ
悪問・良問の見分け方
「一騎打ち」を手掛かりに鎌倉時代の全体像を描く
「読み書き計算能力」から江戸時代の社会と経済を読み解く
「参勤交代」でショックを与える
入試問題から憲法を学ぶ
第4章 「自由主義史観」を乗り越える歴史教育
自由主義史観派(?)生徒の登場
『国民の歴史』の“魅力”
『国民の歴史』が読まれる今日的状況
「科学的な歴史理解」とは何か
「文化史は丸暗記」ではない
「国家」を相対化する
民衆・地域に学ぶ
『国民の歴史』の克服へ向けて
予備校で「平和集会」
終章 教育改革のなかの予備校
大学と予備校で今後何が起こるか
文部省政策課長・寺脇研さんの構想
学校が予備校化する?
競争の緩和か拡大か
すぐにできる「教育改革」案
あとがき