アジア新風土記(89)マラッカ - 2024.11.15
戦後沖縄の人権史
沖縄人権協会 半世紀の歩み
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沖縄における27年間の米軍統治と、それに続く日本政府の人権政策を検証、人権侵害の実態、沖縄の戦後史から消えていった空白の事実を20名の編集委員・執筆者が綴る!
本土復帰40年の節目の年に、沖縄人権協会の半世紀の歩み刊行!
本土復帰前(米軍占領下)の沖縄は、高等弁務官、布令・布告が重くのしかかっていました。40年前の日本復帰で、それは日本国首相(政府)、日米安保条約に変わりました。一貫して侵され続ける沖縄の人権と、人びとの抵抗。沖縄の戦後史から消えていた事実を綴り、オキナワの原点と現点を探ります。
序 章 人権から見る普天間問題 高良 鉄美
・普天間問題の視点
・ヨクシはユクシ
・憲法の外におかれた沖縄
・憲法原理はご都合主義でよいのか
・普天間基地と市民生活
・基本的人権尊重の眼
・人権協会創立五〇年目の普天間問題
【コラム】嘉手納基地と普天間基地 永吉 盛元
【コラム】辺野古新基地環境アセスメント 加藤 裕
第Ⅰ章 沖縄人権協会設立以前
──戦後から一九六〇年まで 永吉 盛元
1 沖縄戦の終結から講和条約へ
・沖縄戦の終結
・沖縄での降伏調印式
・天皇メッセージ
・米軍支配下の人権
・日本復帰促進期成会の結成
2 土地闘争から復帰協・人権協会誕生まで
・銃剣とブルドーザー
・四原則貫徹闘争
・石川・宮森小学校ジェット機墜落事件
・「復帰協」誕生
・沖縄人権協会設立へ
【コラム】瀬長那覇市長追放事件 内村 千尋
【コラム】琉大事件 高良 鉄美
【コラム】伊佐浜土地闘争 前原 穂積
第Ⅱ章 沖縄人権協会の草創期──一九六一年から七一年
1 米国統治最後の一〇年 中原 俊明
・沖縄の人権「暗黒時代」=高等弁務官時代
・キャラウェイ高等弁務官時代
・ワトソン高等弁務官時代
・アンガー、ランパート高等弁務官時代
・軍政批判をした良心的米国人ら
2 沖縄人権協会の発足と活動 中原 俊明
・設立への始動
・活動目標と陣容
・沖縄人権協会の発足当初の活動
3 続発する米軍犯罪と渡航拒否問題 平良 修
・米軍犯罪とその裁判
・米国民政府による沖縄・日本本土間の渡航拒否問題
・パス取り上げ事件
・沖縄人権協会による諸決議
4 「世替わり」直前の人権状況 今村 元義
・ベトナム戦争末期の沖縄─依然として前線基地
・復帰直前の経済生活
・ドル・ショック─沖縄の物価上昇と所得目減り
・憲法の下への復帰と返還協定との乖離
【コラム】アンガー高等弁務官就任式での祈り 平良 修
【コラム】毒ガス移送問題 今村 元義
【コラム】黙認耕作地 永吉 盛元
第Ⅲ章 沖縄返還と人権の新しい展開──一九七二年から七九年 高良 鉄美
1 沖縄返還と人権問題─日米安保体制下の沖縄
・米軍基地の維持─公用地暫定使用法と日米地位協定
・沖縄返還協定、密約問題、非核三原則
2 人権問題への新しい運動展開
・軍事植民地から平和憲法の下へ
・復帰協から憲法普及協議会へ
3 返還で変わらぬ基地と人権
・米軍犯罪と裁判権
・自衛隊配備問題
・基地労働者問題
4 さまざまな公害問題
・基地公害
・産業公害
5 今も尾を引く復帰前からの問題
・売春問題
・子どもたちの福祉
・無年金、低年金の問題
・今なお恐怖、不発弾
【コラム】沖縄国際海洋博覧会 今村 元義
【コラム】五・一五メモ 高良 鉄美
【コラム】米軍用地問題素描 新垣 進
第Ⅳ章 一九八〇年代の沖縄──「発見」される人権問題 若尾 典子
1 保守化する八〇年代の政治
・一九七八年─革新から保守へ
・財政投入による米軍基地の確保
・自衛隊と沖縄米軍基地
・日本国憲法と人権運動
2 女性たちの人権運動
・位牌継承をめぐる慣行への取り組み
・トートーメー裁判と「男系の男子」
・当事者の声
・新たな視点
・沖縄の女性運動の特質
3 子どもの人権
・無国籍児問題
・沖縄の国際結婚
・「離婚後三〇〇日問題」としての無戸籍児問題
・無国籍児の母の願い
・学校のなかの子どもの人権
・丸刈り校則の法的効力
4 天皇と沖縄
・海邦国体
・日本国憲法における天皇の地位
・日本政府の意図
・天皇の責任
【コラム】バスガイド若年定年制訴訟 城間 佐智子
【コラム】丸刈り校則体験記 狩俣 倫太郎
【コラム】安保条約と日米地位協定 永吉 盛元
第Ⅴ章 一九九〇年代の人権問題の諸相 永吉 盛元
1 「少女暴行事件」から普天間問題へ
・後を絶たない米兵による犯罪
・沖縄の痛みをわからない外務大臣
・法廷での「犯人」たち
・県民総決起大会での大田知事の発言
・基地に対する県民投票
・知事による基地強制収用のための公告・縦覧「代行」
・沖縄に関する特別行動委員会(SACO)の最終報告
・海上基地建設を問う名護市の住民投票
・県知事選と海上基地
2 沖縄人権協会がこの時期に関与した問題
・アメラジアン・スクール・イン・オキナワ
・フィリピン残留家族の国籍取得
・学校における「日の丸」「君が代」問題
【コラム】代理署名訴訟 永吉 盛元
【コラム】SACO合意の欺瞞性 今村 元義
第Ⅵ章 21世紀にも続く人権問題──一九九九年から現在まで 永吉 盛元
1 「軍隊」と市民生活
・自衛隊による市民監視
・基地労働者の雇用の実態
・日本の法律で裁けない米軍人・軍属の犯罪
2 公権力による市民生活の〝監視〟
3 やはり続く、米軍にまつわる問題
・普天間─大学構内へ大型ヘリ墜落
・嘉手納─止まらぬ爆音被害
・読谷補助飛行場─黙認耕作地の明け渡し裁判
・爆音訴訟
4 メア氏の発言を考える
・沖縄を冒涜した発言
・沖縄で学生たちがみたもの
5 普天間返還合意から一六年
・新基地建設は認めない民意
・辺野古移設は破綻
【コラム】靖国神社合祀取り消し訴訟 加藤 裕
【コラム】高江ヘリパッド建設問題 加藤 裕
【コラム】八重山地区の教科書採択問題 仲山 忠克
【コラム】オスプレイ配備 加藤 裕
第Ⅶ章 沖縄人権協会と私
・沖縄、歴史的人権の回復のために 徐 勝
・沖縄の「慰安婦」問題とナヌムの家 浦崎 成子
・沖縄の子どもの人権 喜多 明人
・人権協会と琉球大学スタッフの活動 砂川 恵伸
・沖縄人権協会という存在 山吉 まゆみ
▼沖縄人権協会関連【略年表】
あとがき 中原 俊明
おわりに