アジア新風土記(89)マラッカ - 2024.11.15
一海軍士官の太平洋戦争
等身大で語る戦争の真実
日米開戦の年、海軍兵学校を卒業、開戦からミッドウェー海戦まで戦艦「長門」に、その後、駆逐艦「雪風」で太平洋を転戦、最後は巨大潜水艦イ400で特攻出撃するまでを──粉飾せず、誇張せず、等身大で語った戦争体験記!
連合艦隊の旗艦「長門」艦上で聞いた日米開戦
連合艦隊主力の出撃と中途からの帰還
嶋田海軍大臣が持参した「虎屋の羊羹」
瀬戸内海にいても恐れた敵潜水艦の攻撃
旗艦の交代──長門から大和へ
非科学的だった図上演習
ミッドウェー海戦
私が考えるミッドウェー海戦の敗因
虚構の大本営発表
瀬戸内海帰着と駆逐艦「雪風」への転勤
2 海軍兵学校の教育
海軍へのあこがれ
深まる軍国主義化の風潮の中で
海軍兵学校に入る
兵学校教育の輪郭
兵学校での生活──全寮制・分隊単位の共同生活
兵学校での教科の内容
兵学校教育の特徴
兵学校を出て
戦艦長門に乗り組む
開戦前夜
3 駆逐艦雪風での最初の海戦
初めてのラバウル行──輸送船南海丸の護衛
巡洋艦最上を護衛して佐世保へ
南太平洋海戦(サンタクルーズ沖海戦)
第三次ソロモン海戦
4 ガダルカナル撤収作戦
気の重い嫌な作戦
「餓島」と化したガダルカナル島
集結した二〇隻の駆逐艦
第一回撤収作戦
第二回の撤収作戦
第三次撤収作戦に至る舞台裏
第三次撤収作戦
撤収作戦をめぐる評価
そらぞらしかった大本営発表
今も気にかかること
5 ダンピール海峡の悲劇
ラエに向かう船団
救助した陸兵であふれた駆逐艦
米軍の恐るべき新戦術〝反跳爆撃〟
暗夜の海上捜索
沈黙した大本営発表
6 コロンバンガラ沖夜戦
山本司令長官の戦死とアッツ島玉砕
初めて経験した魚雷戦
「顔」の見えない近代戦
7 シンガポールへの空母護衛と船団護衛
「絶対国防圏」の設定と深まる敗色
二度にわたるシンガポールへの護衛
雪風との別れ
8 潜水学校に入る
潜水艦水雷長への道
結婚
潜水学校で私が行った二つの調査
9 巨大潜水艦イ四〇〇に乗組む
巨大潜水艦をつくりだした“思想”
パナマ運河攻撃の図上演習
疑問だらけだったウルシー特攻作戦
出撃準備
10 ウルシーへの出撃と敗戦
太平洋上で受け取った「終戦の詔勅」
艦内で知ったポツダム宣言の衝撃
米軍に拿捕されたイ四〇〇
11 捕虜生活とイ四〇〇の艦内生活
捕虜の生活
かいま見た米軍の素顔
イ四〇〇艦内生活でのエピソード
12 太平洋戦争をかえりみて
戦争と人間の真実
日本軍がもてなかった戦争の「大義」
死んだ者と生き残った者
一五年戦争における日本海軍の戦争責任
13 戦後──私が歩いた道
復員
法学部三年間で印象に残る四つのこと
青年法律家協会(青法協)の結成
スモン裁判から水俣病裁判へ
ハンセン病患者のたたかいに教えられたもの
国際民主法律家協会での活動
再び極東国際軍事裁判について
BC級戦争犯罪について
靖国神社問題について
あとがき