アジア新風土記(89)マラッカ - 2024.11.15
同時代への直言
クレジットカード決済、コンビニ決済などはこちらから
暴走するアメリカ、引きずられる日本。
危うい「この国のゆくえ」を
第一線で活躍しつづける憲法学者が徹底批判!
周辺事態法、9・11事件、アフガン戦争、テロ特措法による自衛隊の参戦、拉致問題と北朝鮮の「核」、イラク戦争、有事法制の成立…と、その時点時点の状況に突き刺さる発言で編み上げた憲法学者の批判的同時代史!
水島朝穂先生の好評連載コラム「平和憲法のメッセージ・今週の直言」
この本は本当なら今年5月には出来上がっていた本でした。
2月末には原稿整理がほぼ終了し、水島先生から序文やあとがき、写真図版などが到着すれば、すぐに印刷工程に入るところまで進んでいたのですが、3月20日、イラクへの米英軍の攻撃が始まったことにより、作業が一時中断してしまいました。このまま戦争が終わらず、泥沼化していくと、この本はどうなってしまうのかと、やきもきしていました。
8月に入って、水島先生から「『イラク戦争』関連の『直言』を収録してまとめたい」という連絡が入り、作業が再開しました。
当初は、「イラク戦争」直前までの「直言」を考えていたので、総ページ数256ページを予定していました。結局、「イラク戦争」を入れることで、320ページの分厚い本になってしまいましたが、内容的には、冷戦後、日本が米国と同一歩調を取るために「戦争する国」へ転換していった軌跡が読みとれる本になりました。
原稿整理をしていて思ったのは、「大事なことを忘れ過ぎている」「歴史の大きな転換点を見落としてる」ということでした。
周辺事態法、9・11テロ、アフガン戦争、テロ対策特措法、拉致問題と北朝鮮「核」問題、「イラク戦争」……と、私自身、日々の雑事に追われていることを言い訳にして、「なんと忘れていることが多いことか」「歴史の傍観者になってはいけない」と反省させられました。読者のみなさんには、毎日流される大量のニュースに対する“備忘録”として読んでいただけたらと思っています。
I 周辺事態法から「有事法制」へ
「非常事態」の年
周辺有事立法を批判する
周辺事態法は軍事のための「如意法」
「周辺事態」と地方自治体
「後方地域支援」は「後方梯団兵站支援」
稲嶺沖縄県知事の「誓い」はどこへ
ドイツのシェルター内で考えた周辺事態法
海外から見た「旗と歌」
靖国「公式参拝」と自民党第二代総裁・石橋湛山
「不審船」事件をどう見るか
小泉流緊急事態法制の危なさ
「普通の国」先輩国ドイツのジレンマ
「有事」思考を超えて
II 自衛隊・米軍をウォッチする
「武器の使用」制限をゆるめるPKO法改正
自衛隊ホンジュラス派遣の意図
PKF凍結解除と危険な自・自連立
東チモール問題と自衛隊派遣
石原都知事と「治安出動」訓練
「ビックレスキュー東京2000」への疑問
ドイツの防衛オンブズマン
精鋭自衛官三人はなぜ自殺したか
「ならず者」の低空飛行訓練とニッポン
「えひめ丸」原潜事故から見えるもの
空自戦闘機の誤射
III 曲がり角のドイツで考えたこと
戦後初めて戦闘行動に参加したドイツ
軍人への戦争参加拒否の呼びかけ
〝戦時下〟の基本法五〇周年
哲学者ハーバーマスとコソボ戦争
NATOユーゴ空爆中止
軍事演習場の「森のデモ」
「壁」がなくなって一〇年
ウェストファリア講和条約と現代
〝連邦軍創設の父〟に会う
徴兵制がなくなる日
女性と軍隊── 四八回目の憲法(基本法)改正
IV 近づく憲法改正の足音
高知県非核港湾条例のこと
憲法調査会が動きだす
ドイツの基本法は〝押しつけ憲法〟か?
読売改憲二次試案のねらい── 「軍隊」の導入
外国人の地方参政権
首相公選論の落とし穴
なぜ教育基本法の「改正」なのか
コスタリカ市民の憲法意識
V 9・11からアフガン戦争まで
最悪の行為に最悪の対応
「限りなき不正義」と「不朽の戦争」
アフガン空爆── またも特措法で「法恥国家」
「一〇人の無辜を処罰しても、一人のテロリストを逃すなかれ」
バークレー市議会のアフガン空爆反対決議
たかが一人、されど一人── バーバラ・リー議員の反対
「法による平和」の危機
「ブッシュの戦争」パート2に反対する
日朝首脳会談と拉致問題
変わる三八度線── 韓国レポート
在韓米軍地位協定の「現場」へ
北東アジアの安全保障を考える
ドイツの空(AWACS)と日本の海(イージス艦)
戦争の世紀への逆走?
ヒトラーとブッシュ
いま、そこで作られる危機
「湾岸トラウマ」?── 必要な戦争などない
VI 「イラク戦争」・有事法成立・イラク特措法
国際法違反の「予防戦争」が始まった
自由と民主主義のための軍事介入?
「イラク戦争」と日本── 失われたものの大きさ
ブッシュの「ブレジネフ・ドクトリン」
憲法記念日と民主党の「転進」
日弁連主催の集会で語ったこと
イラクとコンゴ── 派兵目前の日本とドイツ
個人の良心が問われる時代に
「サダムゲート事件」── 戦争における嘘
「宣誓」のやり直しが必要だ
「国際貢献恒久法」と「有志連合」の隠れた関係
おわりに